ご挨拶

ご挨拶

Message

世界極真護身空手道への想い

極真空手創始者大山倍達総裁が生み出した極真空手のフルコンタクトルールは

1969年代の第1回全日本大会からすでに50年以上を経て、

武術スポーツ・格闘技スポーツとしては、ボクシングやキックボクシング・ムエタイと同様に、

ほとんど完成されていると言っても過言ではないほど進化・発展しました。

 

顔面や金的を攻撃しないことによって安全性を担保し、

一般社会人や老若男女が参加できるスポーツ空手として世界的な普及に成功したのです。

 

それはまさに完成された「極真スポーツ空手ルール」と言えます。

 

しかしながら

極真空手や琉球沖縄空手・伝統空手・防具空手の本来の姿は武道・武術であり、

護身術であると私は考えます。

 

護身という観点から見るとスポーツとして完成された極真空手やフルコンタクトカラテは、

顔面ガラ空き・金的ガラ空きの空手なのです。

 

繰り返しますが、極真に代表されるフルコンタクトカラテはスポーツ空手としては素晴らしいものの、

護身のための武道・護身術としては残念ながら明らかにあまりにも未完成なルールなのです。

 

そして護身術として

有効な顔面正拳突き・打ちや鉄槌といった基本技が使えないため稽古さえしなくなっています。

 

さらには複数の敵相手に有効な技や運足・体捌きを多く含んでいる型も

試合組手では全く重要視されていないため、護身としての空手では当然必要とされる、

複数相手を想定しての護身戦略すら全く立てられないのです。

 

そのため極真の一部の道場やフルコンの道場によっては、

空手と称しながら基本・移動・型など省略され、ほとんど稽古されていません。

 

組手試合に早く強くなるためという理由で基本・移動・型など省略して、

キックボクシング的なミット打ち・ミット蹴りとスパーリングばかり稽古する道場さえ多いのです。

 

これでは顔面打撃なしのキックボクシングと言われても反論できません。

武道・護身術としての空手が稽古も含めて休眠あるいは死んでしまっているのです。

 

極真空手のみならず、日本武道としての空手は本来、

なんらかの理由で逃げられない状況に追い込まれ、さらに相手は武器も持っている、

しかも複数いるといった絶体絶命の危機的状況に冷静に対応・対処できる武道・護身術であるべきなのです。

 

このような本来の護身武道の観点から改めて極真空手の基本と移動と型を俯瞰してみると、

実は極真の基本稽古は琉球沖縄空手や伝統空手・防具空手の基本と同様に極めて護身に適していることが再発見できるのです。

 

極真の基本稽古にある裏拳や肘打ちや手刀・背刀・鉄槌・逆鉄槌や目突き・目打ち・金的蹴り・関節蹴りなどはまさに護身に使える基本の技術なのです。

当然ですが、極真空手だけでなく琉球沖縄空手や伝統空手・防具空手の基本は本来そうであったはずです。

 

「極真空手・琉球沖縄空手・伝統空手・防具空手などすべての空手を護身武道として蘇らせる」

それが極真護身空手への私の想いです。

 

代表理事
浜井 識安​